2016年6月定例会 予算修正案 趣旨弁明
提出者を代表しまして、議案第80号平成28年度高松市一般会計補正予算(第1号)修正案について趣旨弁明を行います。 第1条第1項中、5億1,719万6,000円を5億719万6,000円に、1,658億1,719万6,000円を1,658億719万6,000円に修正するものです。 詳細といたしましては、歳入のうち、第20款第1項第1目繰越金1,000万円、歳出のうち、第10款教育費、第7項保健体育費、第2目体育振興費のうち、地域密着型トップスポーツチーム支援事業費1,000万円を差し引いたものです。 6月15日の質疑で、高松ファイブアローズが本市に対して1,330万円に上る体育館の使用料を未払いにしていることが判明しました。高松ファイブアローズは、本市のほかに県内外四つの体育館でホームゲームを行っています。うち、過去に未払いが生じたことがある自治体が二つ、今も未払いの状態である自治体が一つ存在することが調査の過程で明らかになりました。 また、高松ファイブアローズ側が市に提出した経営改善計画では、スポンサーの増加と高松市・香川県からの出資により1億4,000万円という莫大な債務超過を、今後2年で解消することになっています。しかし、本当に経営改善をする気があるのであれば、税金による出資に頼るのではなく、みずからの努力で何とかチケット売り上げをふやし、観客をふやすはずです。チームの魅力を一人でも多くの人に伝えようとするはずです。しかし、あろうことか2015年シーズンのチケット売上見込みは、前シーズン比550万円減となっています。 高松ファイブアローズの社長は、2010年の就任直後、朝日新聞ビジネス香川の中で、本人の言葉とともに、こう紹介されています。霞ヶ関で偉そうなことを言うよりも、一つでも多く、しかも目立つ成功事例をつくった方が、日本の経済のためにいいだろうと、自分がプレーヤーになろうと決めました。キャリア官僚の職を放り投げてベンチャーにかける彼を意気に感じて支援する人は、香川にも岡山にも多いと。 税金による支援を求めることは、成功事例と言えるのでしょうか。 高松市内においては、保育園・幼稚園・小学校訪問での子供たちとのバスケットボールを通した触れ合い、多くの中学校での部活動指導、地域のお祭りや行事への参加、選手の皆さんは、まさに地域密着型トップスポーツチームとして、子供たちに夢や希望を与えてくれています。多くの子供たちがファイブアローズの選手みたいになりたいと、ドリブルやシュートの練習を頑張っています。そんな選手に対しても、給与の未払いの疑いが指摘されています。余りにずさんとしか言いようのない経営体制です。 また、高松市スポーツ施設条例第11条では、高松市立体育館を使用する際は、使用料の前納を利用者に義務づけています。 しかしながら、高松ファイブアローズにおいては、地域密着型トップスポーツチームであることを理由に、使用料の後納と分割納付を認めてきました。にもかかわらず、多額の未納金があること。企業努力の怠り。一民間企業に対しての税金での出資には、余りにもマイナス要素が多過ぎます。 私たちは、チームや選手を否定しているのではありません。チームの存続、選手の活躍を大いに期待しています。だからこそ、株式会社 高松ファイブアローズには、さらなる自助努力をしてほしいと願うのです。 昨年12月定例会において、予算修正案を提出した際にも述べましたが、重大な指摘事項があるにもかかわらず、提出された議案は全て異議なしで通してしまうことではなく、十分に審議を尽くすことが議会の使命です。株式会社 高松ファイブアローズにおいては、その経営体制がずさんで脆弱であり、また、支援のあり方は出資だけではなく、税金で出資をすることは高松ファイブアローズにとっても企業努力の衰退を招くものであることから、補正予算議案を修正し、提出するものです。 以上で議案第80号平成28年度高松市一般会計補正予算(第1号)修正案についての趣旨弁明を終わります。