2020年3月定例会 討論市民派改革ネットを代表して討論を行います。 議案第1号令和2年度高松市一般会計予算中、関係部分、議案第2号令和2年度高松市国民健康保険事業特別会計予算、議案第7号令和2年度高松市競輪事業特別会計予算、議案第16号高松市国民健康保険条例の一部改正について、議案第29号高松市中央卸売市場業務条例の一部改正について、議案第30号高松市公設花き地方卸売市場業務条例の一部改正について、議案第48号路線の廃止について、議案第50号路線の変更について、議案第51号工事請負契約について、以上について反対討論を、議員提出議案第1号中高年のひきこもりに対する実効性ある支援と対策を求める意見書、議員提出議案第2号全ての子供たちが安心して医療が受けられるように国による子供医療費無料制度の創設を求める意見書、議員提出議案第3号性犯罪等被害者への支援の拡充を求める意見書、議員提出議案第4号新型コロナウイルス感染症対策に関する意見書、請願第1号日本政府に「核兵器禁止条約の調印・批准をすることを求める」意見書採択を求める請願、陳情第1号厚生労働省による「地域医療構想」推進のための公立・公的病院の「再編・統合」に抗議し、地域医療の拡充を求める陳情、陳情第2号国民健康保険料の値上げをしないよう求める陳情、陳情第3号種苗法改定(自家増殖・採種を原則禁止)反対を求める意見書を国に提出することを求める陳情、以上について賛成の討論を行います。 初めに、議案第1号中、桜御門復元工事1億2,973万8,000円、及び高松城天守復元資料収集懸賞事業費に係る債務負担行為3,000万円についてです。 私たちは、これまで再三、そもそもこの事業の必要性がないこと、高松空襲の戦跡としてありのままの姿を残していくべきと訴えてきました。さらに、工期が延期を重ねたことにより、当初の予算より3,000万円以上も事業費が膨れ上がっています。また、この桜御門の復元工事は、高松城天守閣復元への布石としての復元であり、市は平成29年度から令和3年度までの5年間を収集期間に定めて、天守閣復元のための資料を、懸賞金をかけて収集していますが、現在までに寄せられた資料は約30点、いずれも直接天守閣内部には結びついていないとのことです。本市の懸賞金3,000万円は、他市と比較して余りにも高額であること、金額の根拠がないことから、税金で懸賞金を支出する必要はありません。よって、財政状況が厳しい現在、選択と集中の考え方からも、これらの事業費については反対です。 次に、屋島山上拠点施設整備費2,566万6,000円及び議案第51号についてです。 屋島山上拠点施設は、屋島活性化の根幹をなす特に重要な事業と位置づけて整備するとしましたが、昨年5月以降、入札不調が続き、4回目の入札前に業者に対して、入札不調に関するヒアリングを行ったにもかかわらず、一つの共同企業体のみ応札・落札する、いわゆる1者入札になりました。業者へのヒアリングを踏まえて、どのように4回目の入札につながったのか、その過程も不透明ですし、何よりも基本構想策定から5年も経過していることを考えると、本施設の必要性の再検討及び設計の見直しを行う必要があったと考えます。 先日、学生観光論文コンテストで最優秀賞を受賞した香川大学生が運営する屋島山上ちょうちんカフェですが、屋島の自然資源と県の伝統工芸品である讃岐提灯といった文化資源を融合させた取り組みを行っています。多額の費用をかけた箱物よりも、このような取り組みを支援し充実させるほうが有益であることから、屋島山上拠点施設整備の必要はなく、議案第51号にも反対です。 次に、新県立体育館建設環境整備事業64億5,284万4,000円並びに高松市土地開発公社貸付金元金収入65億5,466万8,000円及びこれに関する議案第48号及び議案第50号についてです。 新しい香川県立体育館は、サンポート高松に整備するもので、建設費は170億円から190億円と試算されています。地盤調査の結果、当初の想定より長いくいが必要となったため、10億円近く、費用が高くなることも明らかになっています。基本設計については、香川県議会においてデザイン優先であるという意見が出るなど、県議会での賛否も分かれていました。そもそも県立体育館のための土地をなぜ高松市が無償貸与・無償提供するかの理由が明確ではありません。財政難だというならば、なぜ有償貸与をしないのか、その部分はうやむやになっています。 また、旧県立体育館の今後の見通しも立っておらず、雨風にさらされ誰にも使われないお船の体育館は、建築的価値を有しながらも危険であることに変わりはなく、住民の安心・安全を脅かしています。新しい体育館の建設よりも旧体育館の保存についての議論を早急に進めるべきです。 次に、高松丸亀町商店街再開発事業5億8,169万6,000円についてです。 現在の丸亀町北駐車場を解体し、跡地に55戸の住宅、大工町に新たに376台の駐車場をつくるなどの大工町・磨屋町地区の再開発に係る費用に対する助成です。 現在の北駐車場より100台分の増となります。しかし、今私たちが目指しているのは車依存の社会から公共交通を利用する社会です。特に、中心市街地はどの公共交通機関を使っても市内のどこからでもアクセスしやすいため、民間の駐車場も競合している中、これ以上の駐車場整備は必要ありません。このような丸亀町商店街への一極集中的な税金投資ではなく、高松中央商店街全体を考えた中心市街地の活性化が必要です。 次に、社会保障・税番号制度推進事業1億9,209万1,000円についてです。 普及しないマイナンバーカードを取得させようと国も市も躍起になっています。現在、唯一メリットがあるとされているマイナンバーカードを使ったコンビニ交付ですら利用が低迷しています。直近の数字で、本市全体の証明書発行のうち、コンビニ交付はたったの2.3%で、コンビニ交付導入時に損益分岐点が幾らにならないと元が取れないかの計算すらしていません。国からのお金といっても、コンビニ交付にかなりの税金が投入されており、2.3%程度では赤字を垂れ流し続けていると言えます。 さらに、来年度は現在、行っている消費増税に伴うキャッシュレス還元が終わった9月から、マイナンバーカードを活用した消費活性化策とされているマイナポイントが始まる予定です。これにも多額の税金が投入されますが、期間限定のマイナポイント導入により消費が活性化するとは到底考えられず、地域経済の活性化につながっていない高松市ポイントを来年度も同様に続ける必要はありません。よって、マイナンバー制度関連の予算には反対です。 次に、高速鉄道調査費56万円についてです。 四国新幹線は、国が1973年に基本計画路線に決定しましたが、47年間も整備を前提としない基本計画にとどまっており、整備計画への格上げには至っていません。四国だけが取り残されているとし、整備計画の格上げを目指して毎年同じように国に要望をしています。人口減少、少子・超高齢化に向かう社会は、これまでの発想を転換し、新たな新幹線ではなく、もっと投資額が小さくて効果をきちんと生む在来線プラスアルファの考え方で、既存の鉄道の高速化や輸送能力の増大を考えるべきで、四国に新幹線は必要ありません。 次に、椛川ダム整備事業2億8,277万6,000円についてです。 ダム建設の計画が策定された約30年前から考えると、人口減少が進み、一人一人の節水意識の向上から、本市においても水需要の実績が確実な減少傾向にあるにもかかわらず、水需要が大幅に増加していくという過大な水需要予測のもと進められている椛川ダムの必要性は非常に乏しく、やめられない公共事業の典型です。総事業費440億円もかけて整備を行う県施行事業ですが、利水面だけではなく、2018年夏の西日本豪雨災害はコンクリートのダムに頼っている治水のあり方が大きく問われました。不必要な県施行の事業に対する本市負担については反対です。 次に、議会活動費のうち、議員費用弁償・海外視察費・人間ドック助成費1,283万5,750円についてです。 議会に足を運ぶだけで支払われる費用弁償、税金を使っての海外視察、公的助成にさらに上乗せをした人間ドック助成については、明らかな議員特権であり、このような時代錯誤の支出は早急に見直すべきです。海外視察に関しては、2月27日の議会運営委員会に、ドイツ・ボン市に派遣する計画が出されていましたが、けさの議会運営委員会で取り下げることが報告されました。しかし、このたびは新型コロナウイルス感染防止のための中止ではありますが、ジャパンデーイベントに合わせた行程であり、そもそも計画内容に問題があります。LRTの調査研究が中心とされていますが、随分前から本市においても、国内外のLRTの調査研究は行われており、それらを踏まえた計画にはなっていないことから、何を目指しているのかよくわかりません。新型コロナウイルス感染が終息したころに再び計画が出されることも想定されますが、今市民にさらなる負担をお願いする自主財源の導入を検討しており、徹底した歳出削減を行うということですので、どうしても行く必要があるのなら、ぜひ自費で行っていただくことをお勧めします。 次に、歳入のうち、競輪事業収入5,000万円及び議案第7号についてです。 カジノ法が制定され、日本に新たな賭場が解禁されようとしています。現在、日本ではギャンブル依存症の疑いのある人は320万人、先進国でもトップクラスの依存率を誇っています。公営ギャンブルは、名目上は社会貢献をうたっています。確かに、一般会計への繰り入れもあります。しかし、内容がギャンブルであることに違いはありません。繰り入れがあるということは、どこかで負けて生活に影響を来している人がいるということです。高松競輪は、耐震改修を行うだけでなく、ナイター照明施設を整え、ミッドナイト競輪を行うようになろうとしていますが、ギャンブル施設ではなく、純粋な自転車競技練習場や自転車のまちづくりの拠点にすべきと考えます。 次に、議案第2号及び議案第16号、また、これに関連する陳情第2号についてです。 国民健康保険は、ほかの医療保険より保険料が高く、負担は限界に来ています。国保の保険料が重い負担になっていると感じている人は多く、今後の高齢化の進行により、所得の低い人たちが国保の被保険者になることは容易に想定されます。病気やけがをしたときに、いつでもどこでも誰でも医療を受けられる国民皆保険は、国保の存在抜きでは成立しません。この国の宝である国民皆保険という制度を将来世代に渡すためには、国保の財政基盤の立て直しが必要ですが、加入者へのさらなる負担は避けるべきであり、さらに公費を投入し、加入者の負担軽減をすべきだと考えます。よって、議案第2号及び議案第16号には反対を、陳情第2号については採択すべきとします。 次に、議案第29号及び議案第30号についてです。 2月3日に開催された中央卸売市場開設運営協議会の議事録によると、冒頭、委員から、いつの間にか条例ができていた。市場がどちらに向かっていくのか、本質的な議論がないままに終わったとの発言がありました。これに関して、卸売市場再整備特別委員会でただしたところ、市場内業者とは合意形成が図られ条例改正に至ったとの説明がありました。今回の条例改正は、卸売市場法改正によるものです。第三者販売の禁止や商物一致の原則が廃止されることによって、売買取引における公正な取引が損なわれる懸念があります。全国的な状況を調べたところ、札幌市では、公式な条例改正の準備委員会で約40回の議論、業界団体などとの話し合いを含めると100回以上の話し合いを重ね、結果、公設市場としての信頼を得るためには、原則規制緩和は行わない。ただし時代のニーズに合わない部分については例外規定を設けて対応していくという結論に至っています。また、京都市でも、第三者販売、直荷引きの原則禁止は残しています。新しい青果棟も公設公営でしっかりやっていくという答弁もありましたが、民間で運営するつもりはなくとも、民間で運営できる条例になってしまうことは大いに懸念すべきです。規制緩和はせず、市民の台所としての機能を公設市場として担っていく必要があると考え、これら二つの条例改正には反対をします。 次に、議員提出議案第1号についてです。 全国で61.3万人、若年層を上回り、40歳から64歳の中高年層のひきこもりの広がりが内閣府の推計調査で初めて明らかになりました。8050問題とも呼ばれ、40歳代以上の当事者をいかに支援につなげ、どのように支援していくのか、新たな社会の課題となっています。都道府県・政令指定市は、年齢を問わず相談を受け付けるひきこもり地域支援センターを設けていますが、専門家からは、身近な自治体における相談窓口の設置を初め、実効性ある支援の必要性が提言されています。よって、自治体の実情に合った対策が行われるように国に要望すべきです。 次に、議員提出議案第2号についてです。 この4月から、多くの市民が求めていた中学生までの医療費無料化が実現することになりました。県内では、本市がおくれをとっていましたが、これで中学生になっても継続してさまざまな疾患の治療を安心して受けられる体制が整いました。しかし、無料化に係る予算は2億7,700万円が計上されており、全てが一般財源からの支出となります。これまで本会議における市長答弁でも、本来この制度は国の責任において全国一律で実施されるべきもの、今後も引き続き、制度の創設を国に働きかけていきたいとされています。市長や全国市議会議長会が国に要望しているから、高松市議会として意見書を出す必要はないと捉えるのではなく、現場の声を国に届けるということを考えれば、高松市議会としても意見書を提出すべきと考えます。 次に、議員提出議案第3号についてです。 先日、3月8日の国際女性デーに思い思いの花を手に集まり、性暴力に抗議するフラワーデモが全国各地で開かれ、私たちはここ高松でも行いました。性犯罪や性暴力被害は、事件として顕在化するものは氷山の一角にすぎず、被害者の心身の負担軽減や被害の潜在化の防止など、さまざまな支援が必要です。その必要性から、国の交付金により総合的な支援を可能な限り1カ所で提供することを目的に、性暴力被害者ワンストップ支援センターが各都道府県にできました。電話や面接での相談を受けたり、病院や司法関係者などへの付き添い支援を行ったりすることが必要ですが、24時間365日開設したくても、国からの交付金の基準と支援現場の実態が乖離しているのが現状です。支援の実効性を確保するため、必要な財源措置を国に求めるべきと考えます。 次に、議員提出議案第4号についてです。 昨年12月より、日本国内でも新型コロナウイルス感染者が報告され、急速かつ広範に感染が広がっています。本意見書を審査した教育民生常任委員会においては、刻々と状況が変わる中、国が対応をしている。意見書を提出しても、そのときにはもう実行されているものもあるかもしれない。経済の落ち込み、中小企業は大打撃を受けているが、本意見書の内容は、高松市で対応すべきことであり、国に求めることではないなどの意見が出ました。議員提出議案を提出したのが2月26日で、さまざまな状況が変化していることから、提出者からは、もし必要な項目や不要な項目があれば、委員会で修正も検討したいと申し出がありましたが、修正等はありませんでした。特に、医療機関や福祉事業所におけるマスク・衛生材料・消毒液等の不足は深刻です。けさの朝日新聞にも、県保険医協会が県内の8割の医療機関でマスク・消毒用アルコール・使い捨て手袋が不足しており、国の対策を求めたいとする記事が掲載されています。これらを各自治体で用意することは不可能に近く、国が先頭に立ち、後手後手にならないように対応していくことが求められます。 4,300億円の財政措置を行った保護者への休業補償も始まったので、意見書は出さなくてもいいとの意見も出ましたが、SMBC日興証券の試算によれば、4月まで感染が拡大すれば、4兆8,000億円の経済損失が見込まれるとされています。現在の財政措置では、経済対策にはほど遠いのは誰の目にも明らかです。よって、臨時休業による影響だけではなく、今この町で起こっているさまざまな影響を勘案すれば、高松市議会として国にさらなる対策を求めていくべきと考えます。 次に、請願第1号についてです。 2017年7月7日に122カ国の賛成で採択された核兵器禁止条約は、いかなる核兵器の使用も国際人道法に反すると断じ、核兵器を全面的かつ完全に禁止して、その廃絶への道筋を定めた史上初の条約です。同時に、核被害者に対する援助や核汚染からの環境回復も定めています。しかし、日本政府は、反対票を投じただけではなく、採択されても調印も批准もしないと、核兵器禁止条約に加入しないことを明言。被爆国として核兵器の非人道性から、核兵器のない世界を求める市民・被爆者の願いに反するものです。その声を後押しするように、日本政府に同様の意見書を提出しているのは、2月20日現在、441自治体にも広がっています。非核都市宣言をしている本市においても意見書採択をすべきです。 次に、陳情第1号についてです。 県内の公立・公的病院において、さぬき市民病院・高松医療センター・済生会病院・滝宮総合病院の4病院が、このたび厚生労働省による地域医療構想の再編・統合の対象となりました。しかし、それぞれの病院は地域に根差し、診療内容などを分担して、地域の医療需要を担っており、当該病院や地元自治体などから憤りの声が上げられています。また、先日、県内の病院や医師会などでつくる地域医療構想調整会議は、現在の医療機能を維持するとの結論を出していることから、厚生労働省による公表に抗議し、地域医療の拡充を求める地方自治体の声として国に対して意見書を提出すべきと考えます。 最後に、陳情第3号についてです。 国は、2年前に種子法廃止と同時に農業競争力強化支援法を成立させました。この法律には、農業・食品産業技術総合研究機構、都道府県の優良な育種知見の民間への提供を促進するとされており、国会での審議の際に農林水産副大臣は、民間には海外の事業者も含まれると答弁しています。一方で、今回の種苗法改定は、優良品種の海外流出を防ぐためとするのは矛盾があります。今回の種苗法の改定がなされると、これまでは登録品種であっても種苗を購入すれば、次作以降、自由に自家増殖できていたものが、これからは一律に禁止になります。特に、果樹農家は苗木を1本購入して接ぎ木、剪定枝の挿し木などで増殖させてきたので、影響は深刻です。今、私たちは種子と種苗を守る大事な瀬戸際に立っています。食と農を守るためにできることを今すぐ始めるべきであり、各都道府県としてみずからが開発した優良な育種知見の民間企業への提供を条例で規制することが求められます。よって、陳情第3号は採択すべきと考えます。 以上で今定例会に提出されている議案・請願・陳情に対する討論を終わります。
市民派改革ネットを代表して討論を行います。 議案第1号令和2年度高松市一般会計予算中、関係部分、議案第2号令和2年度高松市国民健康保険事業特別会計予算、議案第7号令和2年度高松市競輪事業特別会計予算、議案第16号高松市国民健康保険条例の一部改正について、議案第29号高松市中央卸売市場業務条例の一部改正について、議案第30号高松市公設花き地方卸売市場業務条例の一部改正について、議案第48号路線の廃止について、議案第50号路線の変更について、議案第51号工事請負契約について、以上について反対討論を、議員提出議案第1号中高年のひきこもりに対する実効性ある支援と対策を求める意見書、議員提出議案第2号全ての子供たちが安心して医療が受けられるように国による子供医療費無料制度の創設を求める意見書、議員提出議案第3号性犯罪等被害者への支援の拡充を求める意見書、議員提出議案第4号新型コロナウイルス感染症対策に関する意見書、請願第1号日本政府に「核兵器禁止条約の調印・批准をすることを求める」意見書採択を求める請願、陳情第1号厚生労働省による「地域医療構想」推進のための公立・公的病院の「再編・統合」に抗議し、地域医療の拡充を求める陳情、陳情第2号国民健康保険料の値上げをしないよう求める陳情、陳情第3号種苗法改定(自家増殖・採種を原則禁止)反対を求める意見書を国に提出することを求める陳情、以上について賛成の討論を行います。 初めに、議案第1号中、桜御門復元工事1億2,973万8,000円、及び高松城天守復元資料収集懸賞事業費に係る債務負担行為3,000万円についてです。 私たちは、これまで再三、そもそもこの事業の必要性がないこと、高松空襲の戦跡としてありのままの姿を残していくべきと訴えてきました。さらに、工期が延期を重ねたことにより、当初の予算より3,000万円以上も事業費が膨れ上がっています。また、この桜御門の復元工事は、高松城天守閣復元への布石としての復元であり、市は平成29年度から令和3年度までの5年間を収集期間に定めて、天守閣復元のための資料を、懸賞金をかけて収集していますが、現在までに寄せられた資料は約30点、いずれも直接天守閣内部には結びついていないとのことです。本市の懸賞金3,000万円は、他市と比較して余りにも高額であること、金額の根拠がないことから、税金で懸賞金を支出する必要はありません。よって、財政状況が厳しい現在、選択と集中の考え方からも、これらの事業費については反対です。 次に、屋島山上拠点施設整備費2,566万6,000円及び議案第51号についてです。 屋島山上拠点施設は、屋島活性化の根幹をなす特に重要な事業と位置づけて整備するとしましたが、昨年5月以降、入札不調が続き、4回目の入札前に業者に対して、入札不調に関するヒアリングを行ったにもかかわらず、一つの共同企業体のみ応札・落札する、いわゆる1者入札になりました。業者へのヒアリングを踏まえて、どのように4回目の入札につながったのか、その過程も不透明ですし、何よりも基本構想策定から5年も経過していることを考えると、本施設の必要性の再検討及び設計の見直しを行う必要があったと考えます。 先日、学生観光論文コンテストで最優秀賞を受賞した香川大学生が運営する屋島山上ちょうちんカフェですが、屋島の自然資源と県の伝統工芸品である讃岐提灯といった文化資源を融合させた取り組みを行っています。多額の費用をかけた箱物よりも、このような取り組みを支援し充実させるほうが有益であることから、屋島山上拠点施設整備の必要はなく、議案第51号にも反対です。 次に、新県立体育館建設環境整備事業64億5,284万4,000円並びに高松市土地開発公社貸付金元金収入65億5,466万8,000円及びこれに関する議案第48号及び議案第50号についてです。 新しい香川県立体育館は、サンポート高松に整備するもので、建設費は170億円から190億円と試算されています。地盤調査の結果、当初の想定より長いくいが必要となったため、10億円近く、費用が高くなることも明らかになっています。基本設計については、香川県議会においてデザイン優先であるという意見が出るなど、県議会での賛否も分かれていました。そもそも県立体育館のための土地をなぜ高松市が無償貸与・無償提供するかの理由が明確ではありません。財政難だというならば、なぜ有償貸与をしないのか、その部分はうやむやになっています。 また、旧県立体育館の今後の見通しも立っておらず、雨風にさらされ誰にも使われないお船の体育館は、建築的価値を有しながらも危険であることに変わりはなく、住民の安心・安全を脅かしています。新しい体育館の建設よりも旧体育館の保存についての議論を早急に進めるべきです。 次に、高松丸亀町商店街再開発事業5億8,169万6,000円についてです。 現在の丸亀町北駐車場を解体し、跡地に55戸の住宅、大工町に新たに376台の駐車場をつくるなどの大工町・磨屋町地区の再開発に係る費用に対する助成です。 現在の北駐車場より100台分の増となります。しかし、今私たちが目指しているのは車依存の社会から公共交通を利用する社会です。特に、中心市街地はどの公共交通機関を使っても市内のどこからでもアクセスしやすいため、民間の駐車場も競合している中、これ以上の駐車場整備は必要ありません。このような丸亀町商店街への一極集中的な税金投資ではなく、高松中央商店街全体を考えた中心市街地の活性化が必要です。 次に、社会保障・税番号制度推進事業1億9,209万1,000円についてです。 普及しないマイナンバーカードを取得させようと国も市も躍起になっています。現在、唯一メリットがあるとされているマイナンバーカードを使ったコンビニ交付ですら利用が低迷しています。直近の数字で、本市全体の証明書発行のうち、コンビニ交付はたったの2.3%で、コンビニ交付導入時に損益分岐点が幾らにならないと元が取れないかの計算すらしていません。国からのお金といっても、コンビニ交付にかなりの税金が投入されており、2.3%程度では赤字を垂れ流し続けていると言えます。 さらに、来年度は現在、行っている消費増税に伴うキャッシュレス還元が終わった9月から、マイナンバーカードを活用した消費活性化策とされているマイナポイントが始まる予定です。これにも多額の税金が投入されますが、期間限定のマイナポイント導入により消費が活性化するとは到底考えられず、地域経済の活性化につながっていない高松市ポイントを来年度も同様に続ける必要はありません。よって、マイナンバー制度関連の予算には反対です。 次に、高速鉄道調査費56万円についてです。 四国新幹線は、国が1973年に基本計画路線に決定しましたが、47年間も整備を前提としない基本計画にとどまっており、整備計画への格上げには至っていません。四国だけが取り残されているとし、整備計画の格上げを目指して毎年同じように国に要望をしています。人口減少、少子・超高齢化に向かう社会は、これまでの発想を転換し、新たな新幹線ではなく、もっと投資額が小さくて効果をきちんと生む在来線プラスアルファの考え方で、既存の鉄道の高速化や輸送能力の増大を考えるべきで、四国に新幹線は必要ありません。 次に、椛川ダム整備事業2億8,277万6,000円についてです。 ダム建設の計画が策定された約30年前から考えると、人口減少が進み、一人一人の節水意識の向上から、本市においても水需要の実績が確実な減少傾向にあるにもかかわらず、水需要が大幅に増加していくという過大な水需要予測のもと進められている椛川ダムの必要性は非常に乏しく、やめられない公共事業の典型です。総事業費440億円もかけて整備を行う県施行事業ですが、利水面だけではなく、2018年夏の西日本豪雨災害はコンクリートのダムに頼っている治水のあり方が大きく問われました。不必要な県施行の事業に対する本市負担については反対です。 次に、議会活動費のうち、議員費用弁償・海外視察費・人間ドック助成費1,283万5,750円についてです。 議会に足を運ぶだけで支払われる費用弁償、税金を使っての海外視察、公的助成にさらに上乗せをした人間ドック助成については、明らかな議員特権であり、このような時代錯誤の支出は早急に見直すべきです。海外視察に関しては、2月27日の議会運営委員会に、ドイツ・ボン市に派遣する計画が出されていましたが、けさの議会運営委員会で取り下げることが報告されました。しかし、このたびは新型コロナウイルス感染防止のための中止ではありますが、ジャパンデーイベントに合わせた行程であり、そもそも計画内容に問題があります。LRTの調査研究が中心とされていますが、随分前から本市においても、国内外のLRTの調査研究は行われており、それらを踏まえた計画にはなっていないことから、何を目指しているのかよくわかりません。新型コロナウイルス感染が終息したころに再び計画が出されることも想定されますが、今市民にさらなる負担をお願いする自主財源の導入を検討しており、徹底した歳出削減を行うということですので、どうしても行く必要があるのなら、ぜひ自費で行っていただくことをお勧めします。 次に、歳入のうち、競輪事業収入5,000万円及び議案第7号についてです。 カジノ法が制定され、日本に新たな賭場が解禁されようとしています。現在、日本ではギャンブル依存症の疑いのある人は320万人、先進国でもトップクラスの依存率を誇っています。公営ギャンブルは、名目上は社会貢献をうたっています。確かに、一般会計への繰り入れもあります。しかし、内容がギャンブルであることに違いはありません。繰り入れがあるということは、どこかで負けて生活に影響を来している人がいるということです。高松競輪は、耐震改修を行うだけでなく、ナイター照明施設を整え、ミッドナイト競輪を行うようになろうとしていますが、ギャンブル施設ではなく、純粋な自転車競技練習場や自転車のまちづくりの拠点にすべきと考えます。 次に、議案第2号及び議案第16号、また、これに関連する陳情第2号についてです。 国民健康保険は、ほかの医療保険より保険料が高く、負担は限界に来ています。国保の保険料が重い負担になっていると感じている人は多く、今後の高齢化の進行により、所得の低い人たちが国保の被保険者になることは容易に想定されます。病気やけがをしたときに、いつでもどこでも誰でも医療を受けられる国民皆保険は、国保の存在抜きでは成立しません。この国の宝である国民皆保険という制度を将来世代に渡すためには、国保の財政基盤の立て直しが必要ですが、加入者へのさらなる負担は避けるべきであり、さらに公費を投入し、加入者の負担軽減をすべきだと考えます。よって、議案第2号及び議案第16号には反対を、陳情第2号については採択すべきとします。 次に、議案第29号及び議案第30号についてです。 2月3日に開催された中央卸売市場開設運営協議会の議事録によると、冒頭、委員から、いつの間にか条例ができていた。市場がどちらに向かっていくのか、本質的な議論がないままに終わったとの発言がありました。これに関して、卸売市場再整備特別委員会でただしたところ、市場内業者とは合意形成が図られ条例改正に至ったとの説明がありました。今回の条例改正は、卸売市場法改正によるものです。第三者販売の禁止や商物一致の原則が廃止されることによって、売買取引における公正な取引が損なわれる懸念があります。全国的な状況を調べたところ、札幌市では、公式な条例改正の準備委員会で約40回の議論、業界団体などとの話し合いを含めると100回以上の話し合いを重ね、結果、公設市場としての信頼を得るためには、原則規制緩和は行わない。ただし時代のニーズに合わない部分については例外規定を設けて対応していくという結論に至っています。また、京都市でも、第三者販売、直荷引きの原則禁止は残しています。新しい青果棟も公設公営でしっかりやっていくという答弁もありましたが、民間で運営するつもりはなくとも、民間で運営できる条例になってしまうことは大いに懸念すべきです。規制緩和はせず、市民の台所としての機能を公設市場として担っていく必要があると考え、これら二つの条例改正には反対をします。 次に、議員提出議案第1号についてです。 全国で61.3万人、若年層を上回り、40歳から64歳の中高年層のひきこもりの広がりが内閣府の推計調査で初めて明らかになりました。8050問題とも呼ばれ、40歳代以上の当事者をいかに支援につなげ、どのように支援していくのか、新たな社会の課題となっています。都道府県・政令指定市は、年齢を問わず相談を受け付けるひきこもり地域支援センターを設けていますが、専門家からは、身近な自治体における相談窓口の設置を初め、実効性ある支援の必要性が提言されています。よって、自治体の実情に合った対策が行われるように国に要望すべきです。 次に、議員提出議案第2号についてです。 この4月から、多くの市民が求めていた中学生までの医療費無料化が実現することになりました。県内では、本市がおくれをとっていましたが、これで中学生になっても継続してさまざまな疾患の治療を安心して受けられる体制が整いました。しかし、無料化に係る予算は2億7,700万円が計上されており、全てが一般財源からの支出となります。これまで本会議における市長答弁でも、本来この制度は国の責任において全国一律で実施されるべきもの、今後も引き続き、制度の創設を国に働きかけていきたいとされています。市長や全国市議会議長会が国に要望しているから、高松市議会として意見書を出す必要はないと捉えるのではなく、現場の声を国に届けるということを考えれば、高松市議会としても意見書を提出すべきと考えます。 次に、議員提出議案第3号についてです。 先日、3月8日の国際女性デーに思い思いの花を手に集まり、性暴力に抗議するフラワーデモが全国各地で開かれ、私たちはここ高松でも行いました。性犯罪や性暴力被害は、事件として顕在化するものは氷山の一角にすぎず、被害者の心身の負担軽減や被害の潜在化の防止など、さまざまな支援が必要です。その必要性から、国の交付金により総合的な支援を可能な限り1カ所で提供することを目的に、性暴力被害者ワンストップ支援センターが各都道府県にできました。電話や面接での相談を受けたり、病院や司法関係者などへの付き添い支援を行ったりすることが必要ですが、24時間365日開設したくても、国からの交付金の基準と支援現場の実態が乖離しているのが現状です。支援の実効性を確保するため、必要な財源措置を国に求めるべきと考えます。 次に、議員提出議案第4号についてです。 昨年12月より、日本国内でも新型コロナウイルス感染者が報告され、急速かつ広範に感染が広がっています。本意見書を審査した教育民生常任委員会においては、刻々と状況が変わる中、国が対応をしている。意見書を提出しても、そのときにはもう実行されているものもあるかもしれない。経済の落ち込み、中小企業は大打撃を受けているが、本意見書の内容は、高松市で対応すべきことであり、国に求めることではないなどの意見が出ました。議員提出議案を提出したのが2月26日で、さまざまな状況が変化していることから、提出者からは、もし必要な項目や不要な項目があれば、委員会で修正も検討したいと申し出がありましたが、修正等はありませんでした。特に、医療機関や福祉事業所におけるマスク・衛生材料・消毒液等の不足は深刻です。けさの朝日新聞にも、県保険医協会が県内の8割の医療機関でマスク・消毒用アルコール・使い捨て手袋が不足しており、国の対策を求めたいとする記事が掲載されています。これらを各自治体で用意することは不可能に近く、国が先頭に立ち、後手後手にならないように対応していくことが求められます。 4,300億円の財政措置を行った保護者への休業補償も始まったので、意見書は出さなくてもいいとの意見も出ましたが、SMBC日興証券の試算によれば、4月まで感染が拡大すれば、4兆8,000億円の経済損失が見込まれるとされています。現在の財政措置では、経済対策にはほど遠いのは誰の目にも明らかです。よって、臨時休業による影響だけではなく、今この町で起こっているさまざまな影響を勘案すれば、高松市議会として国にさらなる対策を求めていくべきと考えます。 次に、請願第1号についてです。 2017年7月7日に122カ国の賛成で採択された核兵器禁止条約は、いかなる核兵器の使用も国際人道法に反すると断じ、核兵器を全面的かつ完全に禁止して、その廃絶への道筋を定めた史上初の条約です。同時に、核被害者に対する援助や核汚染からの環境回復も定めています。しかし、日本政府は、反対票を投じただけではなく、採択されても調印も批准もしないと、核兵器禁止条約に加入しないことを明言。被爆国として核兵器の非人道性から、核兵器のない世界を求める市民・被爆者の願いに反するものです。その声を後押しするように、日本政府に同様の意見書を提出しているのは、2月20日現在、441自治体にも広がっています。非核都市宣言をしている本市においても意見書採択をすべきです。 次に、陳情第1号についてです。 県内の公立・公的病院において、さぬき市民病院・高松医療センター・済生会病院・滝宮総合病院の4病院が、このたび厚生労働省による地域医療構想の再編・統合の対象となりました。しかし、それぞれの病院は地域に根差し、診療内容などを分担して、地域の医療需要を担っており、当該病院や地元自治体などから憤りの声が上げられています。また、先日、県内の病院や医師会などでつくる地域医療構想調整会議は、現在の医療機能を維持するとの結論を出していることから、厚生労働省による公表に抗議し、地域医療の拡充を求める地方自治体の声として国に対して意見書を提出すべきと考えます。 最後に、陳情第3号についてです。 国は、2年前に種子法廃止と同時に農業競争力強化支援法を成立させました。この法律には、農業・食品産業技術総合研究機構、都道府県の優良な育種知見の民間への提供を促進するとされており、国会での審議の際に農林水産副大臣は、民間には海外の事業者も含まれると答弁しています。一方で、今回の種苗法改定は、優良品種の海外流出を防ぐためとするのは矛盾があります。今回の種苗法の改定がなされると、これまでは登録品種であっても種苗を購入すれば、次作以降、自由に自家増殖できていたものが、これからは一律に禁止になります。特に、果樹農家は苗木を1本購入して接ぎ木、剪定枝の挿し木などで増殖させてきたので、影響は深刻です。今、私たちは種子と種苗を守る大事な瀬戸際に立っています。食と農を守るためにできることを今すぐ始めるべきであり、各都道府県としてみずからが開発した優良な育種知見の民間企業への提供を条例で規制することが求められます。よって、陳情第3号は採択すべきと考えます。 以上で今定例会に提出されている議案・請願・陳情に対する討論を終わります。
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